くずのは(51p)

ーー『22時になりました。』 生活時間を朝6時から夜の22時までと制限され、どこか病的に健康を推進する世界。 睡眠を剥奪されたswayedと彼らに安眠をもたらすlullabyは、よるの世界に足を踏み外す。 今日も変わらず月は黄色で、どこかでカナリアが子守唄をうたう。 これは、変わらない【よる】をふたりぼっちで埋めるお話。

世界には貴方達しか居ませんーー。 生き残った人と棄てられた神。そして、人でも神でもない何者か。それが貴方達です。 これは、世界が機能を止めたあとも未だ生き残っている貴方達に捧ぐ、ささやかな後日譚。

「--あなたでさいごにするの--」 寿命を得るため、人の死と共にあり続けなければならないドゥーグ。そんな彼らとの契約を望む様々な少年少女たち。時には家族のように、時には愛玩動物のように接する彼らの関係に、まだ名前はない。

此の世に在るもの、此の世に亡いもの、すべてが集められるという町がある。 「そこに行けば何でも望みが叶う」と信じた者は、霧雨の降る日に町を彷徨うだろう。 これはそんな不思議な町とヒトのお話。