with love from summer mall

活気あふれる場所であったはずのここには、血と静寂しかない。

セキュリティルーム内はそこまで広くはなく、所々ヒビの入ったモニターやコードが所狭しと並んでいる。争った形跡があり、監視カメラの機能は使えるようだが無線が使えない。これを使えば外に助けを求められるかもしれないというのに…

子供の笑い声もそれを叱る声も聞こえない静かな店内。おもちゃを買ってもらっていた途中だったのだろうか、腹を裂かれ貪られた形跡のある子供の死体は愛らしいぬいぐるみを握っている。

血と腐敗臭の中に、薬品の匂いがする。ここに来れて良かった。生き残るためには体力の回復が必要だ。

獣の臭いがする。割れたショーケースの中には何も居らず、代わりに地面に倒れた人間を貪る動物達の姿があった。

鉄と血の匂いが充満した店内。奴らに抵抗しようとした者がいたのか、死体の一つには油の付着したマチェーテが刺さっている。

棚から落ちて崩れた果物や肉、そして血の混じった匂いが充満している。あまりここには長居したくない。食べられそうなものを探して早くここから去ろう。

ガラスの割れたショーウィンドウの向こうにはすっかり赤黒く染まってしまった衣服が見える。あれらを着るのはおすすめしない。

落ちて踏まれたポスターや文房具などが散乱している。床に散らばった本は血に塗れていて、読むのには適さないだろう。

一般的なレストランにカフェが隣接されている。散らばった食材、割れた食器で床はぐちゃぐちゃだ。奥に調理場がある。