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ろこうに襲い掛かったのは、芋虫の姿をした巨大な淫虫だった。

強引に開かされたろこうの足の間で、媚毒を滴らせた淫虫が蠢いている。
「はぁ、はぁ、っく、ふぅ……」
歪で太い雁首を持った淫虫は、ろこうの秘裂にその先端を埋め、抽挿を繰り返していた。淫虫に上から圧し掛かられ、ろこうは逃れることができない。乱暴な律動によって、秘部に注がれた粘液がぐちゃぐちゃと泡立った。
「あ、あ、っあぁぁ!」
秘裂の上部、ぴんと膨れた陰核を剥かれ、ろこうの足が思わず跳ねる。
だが、淫虫の淫行は、まだまだ止まらない。
ろこうの中を責める器官に、じりっと電流が走り出す。あっと思った時には遅く、陰核にまで、ぱちぱちと。
「んぁ……!そこ、は、っああああ!!」
快楽神経を電気刺激でもみくちゃにされ、ろこうは思わず嬌声を上げた。

淫虫は何度も形を変えながら、うなだれ震えるろこうの腹中を蹂躙する。媚毒を粘膜に塗りたくり、新たな器官をろこうの膣に挿し込んでいく。
淫虫の産卵管であろうか。管の一部は透けていて、中には小さな卵が無数に寄り集まった卵塊が連なっているのが見て取れた。
「く……ぬい、て……っう、あっ、あー……!」
懇願は虚しく空に響いた。ろこうは必死で淫虫から逃れようとするが、その四肢は暴れる程により深く絡め取られていく。絶好の苗床を逃そうなどとは、淫虫は考えていないようだった。
淫虫の意志を示すように、産卵管の根元が瘤状に大きく膨らみ、ろこうの膣から抜けないように固定される。一方で管の先端は、何かを探るように、ろこうの中を激しく蠢いている。
「は、ひっ、ぐ……ぅ、かはっ……!」
どんっ、と強い衝撃と共に、灼熱の痛みが下腹を貫いた。嬌声はたちまち悲鳴へ変わり、思考が激痛で焼け落ちる。遂に産卵管の先が、ろこうの胎内に侵入してきたのだった。火花を散らす脳裏に、子宮口を貫く管が膨らんでいく感覚だけが刻まれた。
いよいよ淫虫の卵が、ろこうの子宮に入れられていく。
「う゛、あー……だ、だめ……やめてぇ……!」
ろこうは苦痛と恐怖で髪を振り乱し、かすれた声で叫んだ。しかしどれだけ喚いても、植え付けは止まらない。卵と共に媚毒粘液を流し込まれた途端、融ける程の腹の熱に悶え狂う。粘液は子宮を柔らかく解し、より多くの卵を抱けるように変えていく。淫虫の卵が胎内を隙間なく満たし、ろこうの子宮を少しずつ広げていった。
「ぐぅ、う、ぇっ……ぁ、あ゛~~――っ……」
ひときわ大きな卵をぐぽん、と胎内に押し込まれ、ろこうの身体がかくがく震える。おぞましい手段で絶頂を強制され、ろこうの中で、何かがぷつんと切れた。
身体から力が抜ける。強張っていた脚は二度、三度痙攣したのを最後にだらりと力を喪い、その肌を失禁した尿が伝う。
最早、ここで助かったとしても無事ではいられまい。"何か"が己の胎で脈打つのを感じながら、ろこうは絶望の中、気を失った。


腹の中で何かが動く感覚がして、ろこうはのそりと瞼を開けた。――胎動だ。
認めがたいそれに肌が粟立つ。卵の植え付けを繰り返すこと数十回、淫虫は遂に自らの子種でろこうを孕ませたのだった。
膨らんだ腹を、淫虫がねっとりと撫でさする。伴侶と仔を慈しんでいるのか、それとも苗床に催促をしているのか。
「ん……ふ、ぁっ……」
秘裂の上部にそそり立つ陰核も、すっかり皮を剥かれて、淫虫のブラシのような触肢にさりさりと擦られていた。
魔物の仔を孕まされた絶望が、抗い逃げる為の精神力をろこうから削り取る。きっと、腹の仔を産んだら、自分は終わってしまう。そんな確信めいたものを、ろこうは感じていた。
「ッ、うー……ん、あぅ、っあ、ひんっ!」
何度目かの絶頂に潮を吹き散らす。だが股座から溢れ出る体液は、いつもに比べてやけに多かった。状況が飲み込めぬ中、首筋に微かな痛みが走る。何かを注入されたようだ。
今まで以上にしっかりと脚を開かされ、ついに時が来たのを悟る。何度も繰り返されたから分かる。これは、『分娩』の準備だ。
注入されたものの効果か、陣痛の波が押し寄せてきた。破水に伴って腹の仔も活発に動き始める。
「ひっ――やだぁ、やだよぉ……たすけて……」
全身から汗が吹き出す。食いしばった歯の根は、恐怖で噛み合わなかった。
現実のすべてを拒絶しながら、痛みと絶望に泣き叫ぶこと数時間。ようやく、ずるり、と腹の中から何かが降りてくる感覚がした。
「い、ぎっ……ぐ……ッ――!」
拡張されていたろこうの膣は、あっさりと異形の新生児を通した。過敏になった膣壁を擦られて、ろこうの身体ががくんと跳ねた。
頭が真っ白になる中、それが視界に入ったのは幸か不幸か。生まれ落ちた仔は人と淫虫の混ぜもののようであった。『我が子』の歪な姿に、ろこうの精神は遂に打ち砕かれる。正真正銘異形の母にされたろこうは、もう二度と、人の言葉を喋ることは無かった。
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