挙人

オベぐだが恋に気付くのは、相手の嘘を、嘘と見抜きながらも信じたふりをした時です。嘘でも本当でも、その人からもらえるならすべて受け入れたいと思ってしまい、恋を自覚します。

｢もう君のことを愛してはいないのです｡｣

それは私を逃がすための嘘でした。
あなたのその言葉を聞いて、私は狂おしげに微笑み、答えました。

｢あなたの嘘は、誠実すぎます｡｣

あなたはすべてを永遠に覚えている。そんなの最初から分かりきったことだった。
ああ、それでも思わずにはいられない。

あなたのいない世界に、なんの意味があるのだろう？