ぴっぴちゃん

干したての枕の匂い　ベットを抜け出す　ふわり漂うシャンプーの匂い　今日は　ひっそり散歩にしよう

「傍にいて、ずっとずっと一緒にいて」

　言われなくても、そのつもりだよ。

萩耶はその日、走っている。
最後に名前を呼んでほしい大切な人がいるから。
寂しげな街は炎に包まれている。けれど、何も問題にはならない。
君も、どうか信じてください。
――さあ、行こうか。

樒はその日、探している。
孤独にしたくない大切な人がいるから。
人気の無い街は日差しに晒されている。けれど、何度でも自分に誓う。
願いを叶えるのは、神様じゃない。
――さあ、行こうか。

ミカゲはその日、走っている。
最後まで傍にいたい大切な人がいるから。
暴動を繰り返す街は生ぬるく淀んでいる。けれど、何度でも自分に誓う。
見つけられたら、消えてもいい。
――さあ、行こうか。

ミカゲはさよならの代わりに、「幸せにしたかったな、もっと」と言いました。
きっと、満足げに言うのでしょう。愛おしむように。

暖かい手の面影へ、睦言を紡いだ。
「出会えて嬉しかったよ、たとえどんな結末でも」と。

貴方はあけしきで『本気にしないよ、それでいい？』をお題にして140文字SSを書いてください。

貴方はみやしゅうで『これ以上甘やかして、どうするの』をお題にして140文字SSを書いてください。