おしがま帰宅道

夜遅く。大学から帰宅して、ようやく自宅の最寄り駅まで着いた[USER]。道中でトイレに行こうかと思ったのですが、混んでいたり乗り換えがギリギリだったりで結局行けずじまいでした。なるべく早くトイレに向かいたいところです。自転車に乗って帰宅すると30分くらいかかります。

駅構内のトイレは現在封鎖中です。バリアフリー化に向けて改装しているところでした。しかし事情を話せば貸してくれるかも知れません。

駐輪場で自転車を出して、すぐに駅を後にします。直ぐ側のコンビニはトイレを貸していないので、少し走った先にあるコンビニまで行かないといけませんが、或いは家に急いだほうが賢明でしょうか？

駅員に事情を話しましたが、貸せないの一点張りでした。諦めて[USER]は駐輪場に向かいます。直近のコンビニはトイレを貸してくれないので、家に向かうか、少し離れたコンビニを目指す必要があります。

駐輪場で自転車を出して、すぐに駅を後にします。直近のコンビニはトイレを貸していないので、少し走った先にあるコンビニまで行かないといけませんが、或いは家に急いだほうが賢明でしょうか？　時間を使ってしまい、[USER]は少し焦っています。

少し走ったところにあるコンビニは、時間も遅いということで空いていました。早速トイレに向かいますが、生憎と先客が入っていました。──5分ほど待っても出てくる気配がありません。

まっすぐ家を目指していましたが、やはりどこかで済ませた方がいいのではという気持ちになってきました。お腹の重みがペダルを漕ぐたびにのしかかってきます。少し道が外れますが、近くのスーパーが24時間営業なのでまだやっているはずで、家に向かうよりは近いです。

こんな遅くの時間だというのに、コンビニは混んでいました。なんでもカードゲームの発売があり、並んでいるらしいです。そんな中で、トイレにも列ができていました。既に膀胱が重く、これなら並ぶよりすぐ近くの公園を目指した方が確実かも知れません

家を目指して懸命に自転車を走らせていましたが、どうにも限界が近いです。[USER]は少し道を外れ、24時間営業のスーパーに向かいます。その途中で、全く人気の無い路地を見つけました。灯りもなく、ここならこっそりおしっこをしても見つからないでしょうが……。

コンビニは人も疎らでしたが、トイレには待っている人が一人いました。[USER]はさり気なく近くのドリンクコーナーを見て待ったり、漫画を立ち読みしたりしていますが、どうにも空く気配が有りません。近くに公園があるので、そっちに向かった方がいいかも知れないと思いました。

[USER]は他の何にも目をくれず、家を目指すことにしました。しかし、半分ほど走ったあたりでどうにも我慢ができなくなってきました。ふと視線を向けると、交差点の向こうに初めて見る公園が有りました。普段は気が付かなかったのですが、今日は街灯で照らされてよくわかったのでした。──でも、トイレが有るかはわかりません。

ノックをしてみました。中からノックが返ってきたので、それほど時間をかけずに変わってくれるはずです。
しかし、更にしばらく待っても出てきませんでした。すぐ近くに公園があります。もう一瞬の判断で決めるしか有りません

近くの公園はひっそりとしていて、自分のいる位置の真反対にあるトイレがぼんやりと照らされていました。しかしあまりに暗いです。これなら、その辺の物陰でこっそり済ませてしまっても……。

お腹の重みは痛みに変わり、信号で停まる時間は永遠にも感じます。もしかしたら……という気持ちが頭をよぎった時、交差点の向こうに初めて見る公園を見つけました。普段は気が付きもしませんでしたが、今日は街灯の光が見えて、それがわかったのです。[USER]は逡巡した後──。

スーパーの中に入った頃にはお腹はかなり張っていました。急いでトイレを目指しますが、入口はプラチェーンで簡単に封鎖されており『ご利用の際は店員にご報告ください』と張り紙がされていました。別に余裕が無いわけではないのですが、近くに店員はおらず、探すのは手間がかかりそうです。