[友情]
牢の鍵を開けてもらい、ラルメと少年は町から飛び出した。

「ここなら追いかけてこないと思う」
ラルメは君は誰だと尋ねる。
「僕は天邪鬼。世間からはひねくれ者って思われてる。妖怪からもそう思われていて…でも君は初めて僕のことを聞いてくれた。友達になってくれる?」

「え?自分は人間だからここにはいられないって…だって君、角生えてるよ?もしかして君も天邪鬼になったとか…天邪鬼同士が上手く行くかは分からないけど、君なら仲良くなれると思うんだ」

<ラルメは「天邪鬼」になりました。>
[英雄]
大江山 狸童子は一か八か、狼に拳を突き出した。狼は予想外のダメージを喰らったのか退散していった。
「ありがとうございます!貴方は我々の英雄です!」気がつくと大量の鹿に囲まれていた。
「貴方こそが長にふさわしい…ぜひともお願いします」
大江山 狸童子に拒否する術はない。何故なら既に大江山 狸童子の頭には神々しく光る鹿の角が生えていたのだから。

<大江山 狸童子は「化け鹿」になりました。>
[白布]
箪笥の中に入ろうと鹿沼のぶこは引き出しを開けた。
中には綺麗な白の布が入っているが、入れるスペースはある。鹿沼のぶこは箪笥の中に隠れた。

もう追手はこないだろう。

箪笥から出た鹿沼のぶこはミイラのような姿になっていた。白い布でぐるぐると巻かれている。布の先端が飛び出すと顔が現れた。
拠り所を得た一反木綿は嬉しそうに外へ出ていった。

<鹿沼のぶこは「一反木綿」になりました。>

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