赤を基調とした晴れやかな着物に身を包んだ七尾百合子の吐く息は白く、先程買ったばかりの破魔矢を握った手は少し震えている。数年に一度の大寒波の中訪れた初詣は多くの人で賑わっていた。参拝する為に列に並んでいたが、人混みに押された彼女は自由を失い、俺の身体へと倒れ込んだ。「ご、ごめんなさい!」と謝る彼女の頬は紅く染まっていた。
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