【R18】あの子に痴漢

診断結果鹿沼のぶこは違和感に眉を寄せた。まただ、と内心で呟く。このところ、こうして鹿沼のぶこに触れてくる奴が現れていた。事を荒立てるのも、と思い、鹿沼のぶこはいつものように努めて気にしないことにした。その日、そいつが一線を越えようと考えていることも知らずに。

器用に服の合間を縫って鹿沼のぶこの素肌へと迫る手に、鹿沼のぶこは反射的に鳥肌を立てる。既に硬くなっている敏感な先端を指先で摘み上げると、背後の声は感じているのか、と揶揄ってくる。それを否定する態度を示しても声は含み笑いを漏らすばかりだ。また最初以降、指先は先端に触れることなく、周囲をくるくると優しくなぞり続けるばかりだ。もどかしい感触に、次第に鹿沼のぶこの中でより強い刺激を与えてほしい気持ちが強くなってくる。それを見透かすように、背後の声は要求があるなら言うように迫る。躊躇う鹿沼のぶこだったが、遂には内に蟠る欲求を、小声ではあるが曝け出してしまうのだった。
ふいに、電車が揺れた。それに合わせて鹿沼のぶこは電車の隅に引き込まれる。よろめいた隙に腕を掴まれ、他の乗客に向くように拘束された。鹿沼のぶこが不思議に思っていると、突然、目の前の乗客らが鹿沼のぶこに手を伸ばし、あらぬところを撫で始めた。鹿沼のぶこは抵抗を見せるが、耳元で囁かれた言葉に愕然とする。背後の者だけでなく鹿沼のぶこの周囲にいる全員が、痴漢だというのだ。驚く鹿沼のぶこを尻目に痴漢らは衣類を捲り上げ、引き降ろし、蹂躙していく。人垣があるとはいえ、電車の中で局部を露わにさせられている現実に鹿沼のぶこは眩暈を覚える。しかし決してそれだけでないこともまた、鹿沼のぶこは感じていた。

車内アナウンスが、目的地への大きな駅への到着を告げる。鹿沼のぶこが我に返るのと同時に、それまで鹿沼のぶこを蹂躙していた手は元の通りに乱れた服を整え、人波の中へ消えていった。

慌てて駅に降りた鹿沼のぶこが一息ついていると、近づいてくる者がいた。その人物は、隠し撮りしていたらしい鹿沼のぶこの写真を見せつけてきた。明らかに痴漢されて感じている写真をばら撒かれたく無かったら着いてくるように、と言われては鹿沼のぶこは従う他なかった。駅を出て到着したのはいかがわしいホテルの一室だった。性急に最低限の服を降ろすと、その人はすぐに鹿沼のぶこに襲いかかった。激しく穿たれ擦りあげられ、電車内からずっと弄ばれ続けてきた鹿沼のぶこはすぐに何度も絶頂に至り、次第に理性の箍が外れ、我を忘れて激しく腰を振り快感を貪るのだった。