ジークフリートが渋滞している道をゆっくり少しずつ運転していると。
「……」
ジークフリートは、先程から落ち着かない。彼の様子を見ればそれは一目瞭然だった。普段の彼からは考えられないようなその仕草。
ぶるり。風も吹いていないのに、彼は大きく震えた。
(用を、足したくなってしまった)
ジークフリートはどうやら、その排泄欲に逆らえずにいるようだ。しかし、トイレは、近くにはない。……とは言え。幾ら我慢強いジークフリートでも、限界は、訪れる。不幸にも彼は、朝からトイレに行けていなかったのだ。
ジークフリートが体を強張らせる。ひくり、その表情筋が、動いた。
ピチッ、ピシャシャシャ……静かに。決壊の時は訪れた。排泄は、止まらない。
ジークフリートは、……失敗を、してしまった。それも、人一倍恥ずかしい失敗を。彼は一人、唇を噛み締めた。
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